かばん語(portmanteau、混成語)とは 意味と例

「かばん語」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは、「混成語」とも呼ばれ、複数の語の一部が組み合わさって新たにできた語のことを言います。

英語では、portmanteau word、省略して portmanteau、もしくは blend といいます。

portmanteau は「旅行かばん」の意味です。

つまり、「かばん語」は、英語をそのまま日本語に直訳したような形であることが分かります。

「かばん語」が生まれた経緯

では、なぜ「旅行かばん」が「混成語」の意味として使われるようになったのでしょうか。

「旅行鞄」つまり portmanteau が「混成語」の意味としても使われるようになったきっかけが、ルイス・キャロル(Lewis Carroll)の『鏡の国のアリス(Through the Looking Glass)』です。

『鏡の国のアリス』に以下の文章があります。ハンプティ・ダンプティ(Humpty Dumpty)がアリス(Alice)に説明している部分です。

“‘Well, “slithy“ means “lithe and slimy.” “Lithe” is the same as “active.” You see it’s like a portmanteau — there are two meanings packed up into one word.’”

2つの語が旅行カバンに詰め込まれたような語、という意味で portmanteau が「混成語」の意味として使われているんですね。

「かばん語」の例・一覧

ハンプティ・ダンプティが言っていた slithy は、残念ながらあまり使われないようですが、私たちがよく目にしたり聞いたりする「かばん語」があります。

例えば brunch や ginormous です。

brunch とは 意味と成り立ち

brunch は、そのまま「ブランチ」として、日本語でも使われます。

brunch は、「朝食」を意味する breakfast と「昼食」を意味する lunch とが組み合わさってできた語であるのは有名ですね。

brunch も「かばん語」の1例なのです。

ginormous とは 意味と成り立ち

他には、例えば、ginormous というかばん語もあります。

ginormous は口語ですが、これは「巨大な」を意味する gigantic と enormous を組み合わせた語で、「とてつもなく巨大な」といった意味で使われます。

同じような意味の語を組み合わせて意味を強調するような形のかばん語ですね。

varistor とは 意味と成り立ち

varistor は、電子部品の一種で、日本語でも「バリスタ」「バリスター」と呼びます。

抵抗の一種で、ある程度以上に高電圧になると抵抗値が低くなるという性質を持ちます。他の電子部品を高電圧から保護する目的で使われます。

varying resistor のかばん語です。(参考:https://dkgengo.com/english/dictionary/jp-index/ha/barisuta_varistor

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