as such の意味と使い方 文頭で使うのは正しい?

英文法

such を使った表現に、as such というものがあります。

as such は、「そのようなものとして」といった意味で使われます。

この as such、文頭に使う例も時々見かけます。

さて、as such を文の始めに使うのは正しいのでしょうか。

今回は、意外とちゃんと使えてない(?)as such について説明します。

as such の意味

as such は、「そのようなものとして」とか「…の資格で」、または「…なので」といった意味で使われます。

この場合、such は代名詞として使われています。

ですから、as such は文法的には、「反復の代名詞」と言われたりします。

as such は、例えば以下のように使われます。

He is a patient, and he should be treated as such.
彼は患者なので、そのように扱われるべきだ。

反復の代名詞には、他にも one とか that などがあります。

ちなみに、as such に似た表現に such as … がありますが、such as … は「…のような」とか「…など」といった意味で使われます。such と as の順番を逆にしただけですが、意味や使い方は異なります。

such as と like は共に「…のような」を意味しますが、これらの違いが分かりますか?

分からない方はチェック!⇒such as と like の違いとは 「…のような」の英語表現

さて、次は as such を文頭に使う例について見ていきましょう。

as such の使い方 「そういうわけで」という意味で使うのは間違い

さて、上に述べたように、as such は「…なので」といった意味を持ちますが、この as such を文頭に使っている文章を見かけることがあります。

例えば、以下のような感じです。

The device has been broken and left unrepaired for a long time. As such, he wants to buy a new one.
その装置は壊れていて、長い間放置されている。そういうわけだから、彼は新しい装置を買いたい。

この場合、as such は、「なので」とか「そういう事情で」といった意味で使われていることになります。

therefore や accordingly と同じような使い方ですね。

上述のように、as such には「…なので」という意味があるので、一見正しい使い方にも見えます。

果たして、この使い方は本当に正しいのでしょうか?

結論から言えば、as such を therefore などの意味で使うのは、「文法的には」正しくありません。

というのも、as such の such は、代名詞として扱われており、therefore の意味とは異なるからです。

as such の正しい用法の例をもう一度見てみましょう。

He is a patient, and he should be treated as such.
彼は患者なので、そのように扱われるべきだ。

この例文のように、as such は「そのように」といった感じで使われます。

そして、上述のように、as such の such が代名詞的に使われますので、この例文で such は、patient のことを指すわけです。

すなわち、上の例文は、以下のように言い換えることもできるのです。

He is a patient, and he should be treated as a patient.

ここで、最初に挙げた、as such を「そういうわけで」という意味で文頭で使っている例文を見てみましょう。

The device has been broken and left unrepaired for a long time. As such, he wants to buy a new one.

さて、この例文の such は、何を指しているのでしょう?

この such は、前の文にあるどの語(先行詞)も指していません。これでは such が代名詞として使われているとは言えませんよね。

この例文では、as such を therefore(…なので)と同じような意味合いで使っていますが、「文法的に」好ましくありません。

「そういうわけで」という意味で as such を使いたい衝動に駆られても、そこは素直に therefore や accordingly を使いましょう。

Therefore の意味・使い方・例文 Therefore I am とは

as such を文頭に使うのは全くの間違いか

では、as such を文頭に使うのはダメなのか、というとそういうわけではありません。

あくまで、as such = therefore として使うのが文法的に間違いであるということです。

ですから、例えば以下の文のように使うのはOKです。

She is a mother. As such, she needs to take care of her children.

この場合、such を a mother と言い換えても、十分に意味が通じます。

She is a mother. As a mother, she needs to take care of her children.

つまり、such は、先行詞である a mother の代名詞としてちゃんと機能しているわけですね。

この例のように、therefore という意味ではなく、代名詞として such を使う形にすれば、文法的に正しいということになります。

as such = therefore は全く間違い?

だったら、as such を therefore などのように使うことはないか、というとそう単純でもないわけです。

ネイティブ(多分)が書いたとみられる文章でも、時折 as such を therefore と同じように使う例を見かけます。

ただ、現在のところ、「文法的」には、そいういった用法は間違いであるわけです。

誤った使い方が広まって、それが正当な使い方になる可能性は無きにしも非ず、といったところでしょうか。

言語は生き物のような側面があるのです。

とりあえず、論文など正式な書類の文章では、 as such を文頭に使うのは控えておいた方がよいかもしれませんね。

これをきっかけに、therefore についても正しい知識を学んでおきましょう。

Therefore の意味・使い方・例文 Therefore I am とは

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