in vitro は、元々ラテン語から来た用語です。ラテン語は「ガラスの中で」といった意味ですが、現在の意味としては「生体外で」という意味で使われます。形容詞もしくは副詞として使われます。
ラテン語がそのまま使われるのは、学術的な分野に多く見られる傾向です。この in vitro も、やはり生物学の分野でよく使われます。
in vitro の使用例
in vitro は、例えば in vitro fertilization などの用語に使われます。この用語の意味が分かりますか。なお、イギリス英語では in vitro fertilisation と z の代わりに s が使われます。
in vitro fertilization は、「体外受精」という意味です。頭文字をとって IVF と表記されることもあります。
「体外受精」とは、卵子(egg)を女性の体外に取り出し、受精(fertilization)させてから、その女性の子宮(uterus, womb)内に戻す、もしくは別の女性の子宮内に移植する技術です。
最近日本で問題として取り上げられるのが、卵子提供(egg donation)を受けて出産する場合です。
「卵子提供」とは、他人の卵子を自分の夫の精子と受精させてから、自分の体に戻す仕組みです。この卵子提供により、閉経(menopause)した後でも出産することが可能になったのです。「超高齢出産」です。
卵子提供を受けて出産した場合、まだ法整備などが遅れていることもあり、様々な問題が起こることがあるようです。
例えば、子供が遺伝上の親を知る権利などです。卵子提供を受けて子供を出産したとしても、遺伝子的にはその子供は卵子提供者の子供であるわけです。子供が成長したときに、その事実を伝えるべきかで悩む人もいるそうです。
昔は自分の子供を指して「お腹を痛めて産んだ子」などと表現したものですが、現代では必ずしもそれが通用するとは限らないのですね。
出産した女性を「母」と認める民法特例法案も、2016年に自民党の部会が了承したものの、まだ法案は国会に提出されていないとのことです。
日本では年間4万人以上の子供が体外受精で生まれているということで、速やかな法整備が望まれるところです。
参考資料:
日本経済新聞、2017年2月19日