さて、突然ですが問題です。
「その商品の情報はネットで公開されています。」という文章を英語に訳そうと考えるとき、「その商品の情報」を information of the product と訳しても良いでしょうか。
答えは、一般的には、バツです。
どういうことかご説明しましょう。
information の後の前置詞は on か about が一般的
一般に、「…に関する情報」を英語に訳す場合は、information の後に of はつきません。
of ではなく、information about もしくは information on のように、about や on が続きます。皆さんがお手持ちの辞書にもそのように記されているはずです。
information on the product / information about the product
日本語の感覚からすると、「…の情報」という風に言いますので、「…の」に対応する前置詞として of を使いがちですが、文法的には良くないんですね。
それでは、information of を使うときが全く無いかというと、そういうわけでもないんですよね。
その理由を説明します。
information of を使う例
例えば、以下の文章を考えてみましょう。
- Personal information on nearly 100 customers was stolen from the database.
- Personal information of nearly 100 customers was stolen from the database.
上記の例文は両方とも「100人近くの顧客の個人情報がデータベースから盗まれた」という意味の文章です。ただ、この場合、私が感じるのは、ニュアンスが少し違うということです。
上記1の場合、「顧客の個人情報」を言い換えると「顧客に関する個人情報」という意味で、上記に述べてように一般的に用いられる形です。
これに対し、上記2の場合、「顧客の個人情報」を言い換えると「顧客に属する個人情報」、より分かり易くは「顧客が所有する個人情報」という意味が強いのです。「個人情報」が「顧客」の所有物としてとらえられているために、所有を意味する of が使われているのですね。
また、information of は以下のようにも使われます。
非常に重要な情報
この場合は、どちらかというと、後にくる of great importance がひとまとまりとして使われていると考えられます。ですから、私の感覚では、「information of」+「great importance」というよりも、「information」+「of great importance」といった感じですね。
というわけで、上記のような例外は確かにありますが、基本的に、information of は使わず、information on もしくは information about を使う、ということを覚えておいてください。