subject to … は、英文契約書でよく見受けられる表現です。契約書の翻訳をしていると、かなりの確率で見かけると思います。
それだけ頻繁に使われる表現であるにもかかわらず、subject to … を日本語に訳そうと思うと、なかなか定型の訳がありません。
というのも、文脈から判断して適切な訳を当てはめることが多い表現だからです。
基本的に、subject to … の訳語としては、以下の日本語表現が当てはめられます。
・…に従う、…に従って
・…に服する
・…の対象となる
上記以外にも、様々に訳されます。
つまり、subject to … を理解する、もしくは翻訳するためには、subject to … がどのように使われているのかを理解する必要があります。
subject to を使った例文
それでは、subject to … が使われる具体的な表現を挙げますので、それぞれどのように解釈され、翻訳されるか見ていきましょう。
subject to the provision of … の意味と使い方
provision は法律分野で「規定」とか「条項」という風に訳されることが多いです。
subject to the provision of … は、「規定に従い…」という風に訳すことができます。
第18条の規程に従い…
subject to availability の意味と使い方
availability は、「(入手の)可能性」という意味です。
subject to availability は、以下のように訳すことができます。
入手できる場合に限り、…
subject to (the) approval of … の意味と使い方
approval は「承認」という意味です。
subject to (the) approval of … は、「承認を条件とする」という意味になります。
本契約は、…の承認を条件とする。
この例文の場合、subject to … 以下の条件が満たされなければ、本契約が履行されないことを意味します。
subject to the agreement of … の意味と使い方
agreement は、「合意」という意味です。
subject to the agreement of … は、「合意を条件とする」という意味になります。
AおよびBの書面による合意を条件として
subject to the laws of … の意味と使い方
subject to the laws of … は、「…の法律の対象である」という意味合いです。
…の法律の対象である、…の法律の定めに従う
subject to the terms and conditions の意味と使い方
subject to the terms and conditions は、「条件にしたがって」という意味です。
契約書における定型文的な表現です。
本契約に定める条件に従って
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