日本語の文章を読んでいると、文頭に「特に」とか「とりわけ」などと書いた文章を見かけることがよくあります。
例えば、「最近は企業の業績が上向いてきている。特に、その傾向は輸出企業で顕著である。」のような感じです。
さて、日本語と同じような感覚で、「特に」を意味する especially を文頭に置くことは可能でしょうか。
今回は、especially を文の始めに置くことについて考察します。
Especially を文頭に置くことは可能?
「特に」という日本語を英語に訳す場合、時々 especially を文頭に使っている文章を見かけることがあります。
例えば、以下のような感じです。
特に、その傾向は輸出企業で顕著である。
さて、文頭に especially を置くことは可能なのでしょうか。
結論から述べると、文頭にこの Especially を使うのはよくありません。
というのも、英語でそのように Especially を使うことがないからです。
ですので、上記の例文は、あまり良い英文とはみなされません。良い英文にするためには、especially を文頭ではなく、文中に置くことを考えてみましょう。
その場合、日本語を読み替えて、「その傾向は、輸出企業で特に顕著である。」と考えて訳すと分かりやすいかもしれません。
その傾向は、輸出企業で特に顕著である。
このように、文中に especially と入れると自然な英文になります。
文頭の「特に」は、In particular, …
日本語の流れを重視して、どうしても「特に」を文頭にもってきたいのであれば、Especially ではなく、In particular を使うとよいでしょう。
こうすると、日本語の流れを重視しつつ、自然な英文にすることができます。
in particular の使い方
上の例では、in particular を文頭に使う例をご紹介しましたが、in particular は文中に使うことも多いです。
例えば、以下の例では、文中に in particular を使う方が自然です。
昨日は何をしたの? ー何も、特に。(別に何も。)
particularly と especially
なお、particular の副詞形である particularly も、文中で使われる分には、especially と同じように使うことができます。以下は、particularly と especially を置き換えただけで、同じ内容の文章です。
The tendency is particularly conspicuous for the exporting companies.
以上、「文頭で Especially を使うことを避けましょう」ということを説明してきました。
特に、論文など重要な文書では気を付けましょうね。