John Doe、John Bull、John Hancock という表現を見かけることがあります。
これらは、人名のようですが、必ずしも人名で使われるものではありません。
一体、どういう意味で使われるのでしょうか。
John Doe の意味
John Doe と聞くと、私はハリウッド映画『セブン(Seven)』を思い出します。私が好きな映画の1つです。
ブラッド・ピットがミルズ刑事として主演し、モーガン・フリーマンがサマセット刑事を演じ、7つの大罪をほのめかす連続殺人事件の犯人を追う、という内容です。
この映画の犯人役をケヴィン・スペイシーが見事に演じました。私の記憶では、ケヴィン・スペイシーはこの映画がきっかけでブレイクしました。(ブレイクしたきっかけは『ユージュアル・サスペクツ』だったかもしれません。)
で、このスペイシーが『セブン』演じた犯人の名前が John Doe だったわけです。ただ、これは明らかに「偽名」だったのです。
なぜ John Doe が偽名であることが分かるというと、この John Doe という名前は、「身元不明の男性」を表す仮の人名としてよく使われるものだからです。
身元不明の男性の死体などが発見された場合、とりあえず仮の名前として John Doe という風に遺体を名付けるという風習があるのです。
ちなみに、身元不明者が女性だった場合、John Doe ではなく Jane Doe となります。
契約書や法律の分野でも John Doe は「仮装名」や「仮名」、「匿名」という意味で使われます。日本語では「ジョン・ドゥ」という風に表記されることもあります。
また、John Doe は仮名として使われますが、アメリカでは「ごく普通の人」、「何の特徴もない人」という意味でも使われます。
John Bull の意味
John Bull は、「典型的な英国人」という意味で使われます。
ちなみに、「典型的な米国人」は Uncle Sam です。こちらはよく聞く表現ですね。
John Hancock の意味
John Hancock は、アメリカの口語表現で「自著」とか「署名」という意味があります。