「松」は、英語で pine と言います。また、「松の木」は pine tree です。
ところで、「松」を意味する pine は「パイン」と発音されますが、パインは日本で「パイナップル」を指すことが多いですよね。
あれ、pine は「松」を意味して、「パイン」は「パイナップル」?
ややこしいな、と思いませんか。
実は、「松(pine)」と「パイナップル(pineapple)」には、その命名において意外な関係があるのです。
パイナップル pineapple の語源
パイナップルは英語で pineapple と書きます。
これ、pine と apple に分けることもできますよね。
♪This is a pen, this is an apple, … なんて歌ではありませんが、pine と apple を合わせると pineapple になります。
pine と apple の組み合わせ、どういうことでしょうか。
pineapple は「松ぼっくりのようなリンゴ」という意味でつけられたという説があります。
パイナップル、なんとなく松ぼっくり(松かさ)に似てるので、分からなくもありません。
pineapple は元々「松ぼっくり」?
ところが、上に述べた説には、もっと深い事情があるようです。
「松ぼっくり」は、現在、英語で pinecone といいますが、古くは pineapple と呼ばれていたそうです。
サイト mental_floss の記事Why Is A Pineapple Called A Pineapple?によると、pineapple はもともと松ぼっくりを指す語だったのだそうです。
それが、pineapple がパイナップルを意味するようになってから、混乱を避けるために pinecone という語を作って、これが「松ぼっくり」を指すようになったということです。
つまり、 pineapple は、イギリス人が最初にパイナップルに初めて出会った時よりも前から使われていた語だったということです。
pineapple という語が使われだしたのが1398年で、pineapple がパイナップルを指すようになったのは1664年のことだということで、この説には信ぴょう性があります。
つまり時系列でみると、
1398年 「pineapple =松ぼっくり」
↓
イギリス人がパイナップルに遭遇!
↓
1664年 「pineapple =パイナップル」としよう!あれ、でも pineapple には「松ぼっくり」の意味があるぞ。ややこしいから「pineapple = パイナップル」にして「pinecone =松ぼっくり」にしよう!
というわけですね。
日本でも「パイン」が「松」を意味することがある
「パイン」は、日本でも「松」を意味することがあります。
木材で「パイン材」というのを聞いたことがありませんか。
これは、松の木が使われているからなのです。「パイナップルの木」が使われているからではありません。
松とパイナップルには、意外な関係があったのですね。