「懸垂分詞」って聞いたことありますか。「懸垂」とありますが、何も、筋トレで使う用語じゃありません。(ちなみに、筋トレの「懸垂」は、英語で chin-ups と言います。)
「懸垂分詞」とは、英語で dangling participle もしくは misrelated participle と呼ばれるもので、文法用語です。
単語 dangling が、「ぶら下がる=懸垂」という意味なので、それがそのまま「懸垂分詞」という日本語になったのだと思います。
今回は、この「懸垂分詞」がどのようなものなのか、気を付けなければならないポイントと一緒にご説明します。
正しい分詞構文
懸垂分詞の説明に入る前に、分詞構文について簡単に触れておきます。
分詞構文の主語は、主節の主語と一致しなければなりません。
正しい分詞構文は以下のようなものです。
真夜中に勉強していると、ドアのノックが聞こえた。
上記の文は、以下のように読み替えることも可能です。
つまり、主節の主語と従節の主語が両方とも I で一致しているのが分かります。
このように、従節の主語と主節の主語が一致していなければ正しい文章とはなりません。
懸垂分詞とは何か
懸垂分詞とは、つまり従節の主語と主節の主語が一致していない場合のことを指します。
もし、分詞構文が主語の異なる主節と共に使われた場合、その分詞は懸垂分詞とみなされ、文法的に誤りとなるのです。
以下の文を見てください。
懸垂をしていると、犬がドアに向かってほえた。
この文章では、日本語はそれほどおかしくありませんが、英文の方は正しくないのです。以下のように読み替えるとわかります。
犬が懸垂をしていると、その犬がドアに向かってほえた。
なんと、犬が懸垂をしていることになってしまうんですね。
まあ、世界は広いので、もしかしたら懸垂をする犬もいるかもしれませんが…。そんな犬であったなら、もちろん文法的に正しい文ということになります。
英文を書く際は、主語が何であるのか意識して書くようにしましょうね。